特別養護老人ホーム潤生園が協力した令和2年度厚生労働省社会福祉推進事業『介護記録法の標準化調査研究』が株式会社 日本能率協会総合研究所 福祉・医療・労働政策研究部のホームページに掲載されました。
https://www.jmar-llg.jp/record2020/index.html
<調査研究要旨>
介護現場では、介護記録、ケアプラン、個別援助計画書など多くの記録がありますが、このうち日々のケアを記録する介護記録については、その他の記録と比較して事業所における標準化が進んでいないと言われています。 本調査研究事業では、介護記録のうち、実際に行う介護行為の実施記録(経過記録、活動記録、ケース記録等)について、自由記述の記録内容を項目化して記録することで記録内容をより明確にした介護記録法(以下、「項目形式の介護記録法」という)を事業所・施設内に試行的・統一的に導入し、介護記録の更なる活用につなげられないか、試行調査を実施しました。項目形式の介護記録法を導入して運用している事業所へのヒアリング調査とあわせて、実際の導入過程における課題や工夫点を把握しました。
試行調査は約3か月間でしたが、参加した事業所・施設では、職員のケアの視点の多角化、アセスメント志向などの意識変容がみられました。参加した職員からは、
「利用者自身の困りごとなどが見えるようになり、援助していて興味深かった」
「他の職員の記録をみることで、こんな視点でケアをしていたのかと勉強になった」
「気づきの視点が増え、利用者の反応の良かった声掛けの仕方を参考にケアをしてみた」 など、導入にあたっての苦労はあったはずですが、ポジティブな意見が多くみられました。事業所・施設内で項目形式の介護記録法に統一することで、職員個人の成長とチームケアの質の向上、ひいては介護サービスの質の向上につながる可能性がみえてきたといえます。
本サイトでは、本調査研究事業の成果物である「導入マニュアル」のほか、試行調査で使用した様式や講義資料等を掲載しています。各事業所・施設における介護記録法の標準化に向けてご活用いただけますと幸いです。